やすだ動物病院 八戸市-犬猫小動物の病院
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ハリネズミの診療


ペットとして地位が揺るぎないものとなり、その飼育頭数も年々増えているハリネズミ。開業当初はその診療の難しさに四苦八苦しましたが、現在はくしゃみ、皮膚のかゆみ・フケ、下痢、歯周病、血尿など、多くの症状に対して診療を行っております。

 

ハリネズミは臆病なため、診察時に背中の針を立てて診察が大変難しい動物ですが、外観と症状である程度判断できる場合や、考えうる疾患を考慮して試験的に治療を開始したりなどもできます。丸まったままお顔も拝見できない子でも、何かしらできることはありますので、ご相談ください。

 

ハリネズミの病気を早期発見する基本としては、体重測定が挙げられます。キッチンスケールでグラム単位の体重変化を記録することは、大変有効です。多くの病気が、体重低下のずっと後に顕在化します。症状がでてから治療を始めるより、体重の低下から病気を早期発見するよう努めましょう。

 

慢性経過で確定診断が必要な場合、考えうる疾患の中に早期発見が望ましいものがある場合では、全身麻酔での検査・処置を考慮することがあります。もちろん、検査のメリットにご納得いただける場合のみであり、無理に検査をすすめるようなことはいたしません。

 

当院で対応できない検査や治療が必要な場合は、専門病院へのご紹介をいたします。

→ハリネズミの飼い方

皮膚科の病気


ハリネズミでは疥癬虫(ダニ)をはじめとした感染症による皮膚病が多く認められます。見た目は皮膚の病気でも、ひどくなると食欲不振から栄養不良に陥ってしまうことが多く見られます。以下のような皮膚の病気は体の一部だけに出ることは少なく、大概は全身に症状があります。その分体への影響も大きくなりますから注意が必要です。

 

治療法としては、外用薬(1−2週に1回垂らすだけ)、飲み薬(1−2週程度)、薬浴(院内または自宅で)などがあります。治療成績はおおむね良好です。

 

▶ ダニ(疥癬虫、ヘビダニ)感染症

ハリネズミは、特に若い個体でのダニの感染が多く認められます。全身の激しいかゆみとフケが特徴です。ダニの種類によっては肉眼で観察できるもの(ヘビダニ)、顕微鏡でないと見えないもの(疥癬虫)があります。検査で見つけた寄生虫の種類に応じて、飲み薬、スポット剤、スプレー剤などで治療します。ダニの卵には薬が効かないので、定期的な駆虫を1−2週おきに2−3回程度実施します。

ハリネズミに感染した疥癬虫
ハリネズミに感染した疥癬虫

▶ 皮膚糸状菌症

ダニ感染に次いで多いのは皮膚の糸状菌症、いわゆる水虫です。ダニ症に見た目が似ており、フケやかさぶたが多いのが特徴です。多くの動物がそうですが、幼少時のハリネズミは糸状菌に対する免疫がないため発症しやすくなります。

 

自然に治癒することは少なく、無治療だと全身に広がっていきます。抗生物質では治らないので、早期に診断をつけるか、試験的に治療を開始します。また、人にも感染しますので注意が必要です。症状のあるハリネズミを触った後は、必ず流水でしっかりと手を洗いましょう。

 

皮膚糸状菌症の診断は顕微鏡観察でできることもありますが、そんな時は、下の写真のような培養検査により、正確な診断ができます。左が培養前の黄色い培地ですが、培養後、皮膚糸状菌の増殖があると右のように鮮やかな赤い培地に変色します。

▶ マラセチア皮膚炎

皮膚がフケがちになったり、油っぽくなるのが特長です。もともと常在菌であるカビ(マラセチア菌)が過剰に増えすぎたり、カビに対するアレルギー反応により皮膚炎が起こるようです。

下の写真はマラセチア皮膚炎のハリネズミの皮膚表面を顕微鏡で見たものです。

紫色のひょうたんのようなものがマラセチア菌(カビの一種。酵母)です。

 

卵巣子宮の病気


ハリネズミに多い病気の一つに、子宮卵巣の病気があります。血尿が起こる場合にはこの病気を疑わなければいけません。血尿の原因としては膀胱炎などもありますが、ハリネズミでは主に子宮からの出血が多く見られますので、早めの検査が推奨されます。

超音波検査・血液検査・尿検査(膀胱穿刺)等による診断と手術リスク判定を基に、手術等の治療が適応かどうか検討します。手術が適応の場合は、全身麻酔下において子宮卵巣の摘出を行うことがありますが、出血のリスクが高く、難しい手術です。また、すでに転移があったりなどすると、手術によって延命できるとも限りませんので、飼い主様と相談の上、慎重に実施の適否を判断しています。

 

呼吸器の病気


▶ 鼻炎

幼少時のハリネズミはくしゃみ・鼻水を伴う鼻気管炎を発症することが多く認められます。細菌によるもの、ウイルスによるもの、アレルギーなどを考慮しながら、治療や生活環境の改善をして経過を見ていきます。

床材などから出る細かい粉塵が鼻腔内で停滞し、慢性的にクシャミが続くことがあるようです。そのようなケースにおいて、鼻腔洗浄による治療が奏功した例を経験しています。ご相談ください。

 

口のなかの病気


▶ 歯周病

雑食性が高いハリネズミは、歯周病が多く見られます。歯と歯肉の間で細菌が増殖し、次第に歯がぐらついてしまいます。犬のケースと似ていますが、奥歯の歯周病のために顔面が腫れ上がって、目の下から膿が出てくることがあります。

 

お薬内服で様子を見ることも可能ですが、よくならない場合は、全身麻酔下で原因になっている歯を抜かなければいけないケースもあります。

 

時に口腔内腫瘍が潜んでいる場合もありますので、診断や経過に注意を要します。

▶ 口腔ガン

口の中に悪性の癌ができることがあります。特にハリネズミでは扁平上皮癌が多いと言われています。麻酔下にて患部を生検して診断します。歯周病による口内炎と判別が難しいケースがあるためです。手術による切除が難しい場合は、化学療法による緩和治療を実施します。

 

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